大企業にスタートアップを創るべき、その理由

Spireteは、大手企業内で生まれたR&Dや事業アイデアや、大学/研究機関が抱える研究シーズをもとに、多様な人材を結び付けて、ゼロからの事業立ち上げを行うスタートアップスタジオです。 そしてSpireteでは大企業向けに、「スタートアップ」を創るというプログラムを提供しています。一般的に企業が新規事業を創るとき、事業部や子会社、JVなどの形をとりますが、なぜSpireteでは「スタートアップを創る」という手段を取っているのか?本記事では、このテーマについて解説いたします。

大企業の新規事業がうまくいかない根本の原因

研究開発に取り組むエンジニアや、新規事業部や社内ベンチャーで事業アイデアを考えた方は、「せっかく研究開発しても(or アイデアを考えても)世に問えない」と感じていたり、「大企業なのに、実はリソースがとても少ない」といったフラストレーションを感じているのではないでしょうか? せっかく研究開発しても(or アイデアを考えても)世に問えない。 Spirete代表の中島は、過去10年間ほど大手メーカーでエンジニアをしていました。そこで感じた新規事業にまつわるフラストレーションをお話します。 当時取り組んでいた製品開発では、製品クオリティが国際規格で求められるよりも高く設定されており、競合他社よりも高い性能を実現できるまで、製品化のGOが出ませんでした。一方で、競合他社であったシリコンバレーのスタートアップは、70%の性能でも製品を出していました。 結果的に、そのスタートアップの製品はMVPとして先に市場に出され、実際の顧客の声を問うことで、より顧客が欲しいものに仕上がっていました。そして、大企業が製品を出した頃には、既にスタートアップに市場を取られてしまっていた、ということがあります。 そして大企業は、競合となるスタートアップにスピードで負けてしまったので、高性能・高機能で対抗するしかないと、開発に時間をさらに掛けた結果、コストが高い製品になってしまい、販売価格でも負けてしまう。 せっかく開発したけれど最終的には、ちょっとだけ高性能・高機能な製品であり、スピードでもコストでも勝てないので出荷すらされず、自分たちの成果を世に問えなかったという経験をしました。 機能が少なく性能が70%の状態でも早く市場に出して顧客と一緒に試行錯誤を繰り返すことを、大企業は独自の意思決定ルールやしがらみにより、スピード感を持って実行できなかったのです。 この状況は一例ですが、大企業の新規事業がうまく行かない根本の原因は、失敗を恐れるゆえの「リスクを取った意思決定ができない結果、事業のスピードが落ちる」という点にあります。 「リスクを取った意思決定ができない」という課題は、特に強い既存事業がある企業において、「失敗したときの影響が既存事業にまで及んでしまう」「会社の看板がある手前、中途半端な製品は出せない」などの理由が絡んできます。その結果、製品を世に出してニーズを問うという「MVP的なやり方」を選択できずに、事業もうまくいかない、取り組んでいた社員のモチベーションも下げてしまう、といった事態が多数起きてしまうのです。

大企業なのに、実はリソースがとても少ない。

研究開発活動をしていた頃、多くの日本企業と協業しておりましたが、日本の大企業の実務部隊のメンバー数は数人単位であるのに対し、スタートアップのメンバーは30人程度と、リソースの面でも大企業が負けている状況を見てきました。 一見、大企業は人材や資金のリソースが豊富と思われますが、事業部門や組織が細分化され、かつ1人1人が兼務という形で業務に携わるケースも多く、まるで中小企業を組み合わせたような組織になっていることもあります。 結果的に、1つの技術や製品を担うリソースは(資金調達をしていれば)人も資金もスタートアップの方が豊富である、というのはよくある話です。 また、基本的に、大企業になればなるほど、モノづくり・サービスづくりの部分は業務を効率化する上で、外部に発注してしまいます。そうすると、本社の人は外部発注のマネジメントをするスキルに長けているのですが、MVPとなるモノやサービスを作ってみるときに「自分の手で作り上げる」というのは案外難しく、結果外注する必要があり、時間もコストも掛かってしまうケースも多いのではないでしょうか。 つまり、新規事業を作る、新規事業のモノ/サービスを作れるリソースが圧倒的に大企業には足りていないのです。


新規事業のあたらしい形「大企業にスタートアップを創る」

新規事業ましてや、かつてディープテック大国だった日本から、新しい目ぼしい事業が生まれなくなってしまった原因は以上2点にあると考えています。

どうしたら、この課題を解決できるか? ハーバードビジネスレビューで、ディープテックについて連載する前あたりから試行錯誤を繰り返してきた結果、「スタートアップとしてスピンアウトする」という手段がベストだという結論に至りました。 かつてディープテック大国だった日本 | 世界の新潮流「ディープテック」とは何か(2/3)ディープテックは何も海外だけの話ではない。かつてディープテックで世界を席巻したのは日本だったからだ。日本はディープテック大dhbr.diamond.jp ①外部の優秀な人材(起業家や専門家等)を囲い込める

スタートアップにすることで、キャピタルゲインを獲得できる機会を提示できるため、外部の優秀な人材(起業家や専門家等)を囲い込め、「大企業なのに、実はリソースがとても少ない」という課題を解決します。 ②失敗が許容される環境を作り、事業スピードを上げる 失敗が許容される環境を作ることで、積極的にリスクをとった意思決定をすることができ、結果的に企業内で行う新規事業より事業成長スピードが上がり、「リスクを取った意思決定ができない」「意思決定のスピードが遅い」という課題を解決します。

③既存事業とのしがらみが切れ、意思決定を迅速にできる スタートアップとして独立させることで、参加する社員の立場が明確になり、意思決定がシンプルかつ現場感を持って判断できます。また、既存事業とのしがらみが切れることで、外部の投資家目線で事業性の評価ができるようになり、「承認のルールやプロセスが複雑で、いつまでも決まらない」といった課題を解決します。

大企業に、新規事業を行うための「スタートアップ特区」を創ることで、爆発的な新事業を多数創出することができると私たちは考えています。


Spireteで支援できること

Spireteでは、社内&社外に眠る事業シーズを発掘するところから、スタートアップとして自走できるまで伴走するプログラムを提供しています。 A:社内から事業のタネを集めて、事業化する ▼「社内起業家人材」を発掘・育成する 「社内メンバーでアイデアを出してみたものの、どのアイデアを本格的に検討していくべきか決められない」「最終決裁者となる人も新事業への投資経験が豊富とも限らないため、評価に悩んでいる」といった悩みを抱える企業さまも多いではないのでしょうか?

Spireteではスタートアップ起業・投資経験が豊富なSpireteスタッフが、社内公募プログラムなどで集まった新規事業アイデアに対して、VC目線で検証したり、ともに事業計画を立てるなど、各社のニーズに合わせた形で社内新規事業アイデアに対するコンサルティングを行っています。 そして、社内公募プログラムをやりっぱなしにするのではなく、そのアイデアの出口となる事業化支援を、スタートアップとして自走できるまで伴走します。 スタートアップスタジオ「Spirete」、静岡銀行と連携し、同行が新設した社内ベンチャー制度の支援を開始 ▼途中まで手掛けた新規事業を「出島化」する 「新規事業アイデアの事業化に取り組んだが、自社の論理に合わないために事業部で引き取れず、活路が見出せていない」など、新規事業を手掛けたものの、新規の事業部を創るには売上が足りない、しかし既存事業部で引き取るには利益が出ていない、事業シナジーが見出せないなど、こういったリアルなお悩みは尽きないと思います。



企業のリソース・アセットを活用して事業の芽が出始めている新規事業を社内で引き取れないのであれば、会社からスピンアウト/カーブアウトする形で、スタートアップとして切り出すことをご提案しています。 具体的には、個人投資家やVCから資金調達できるようなビジネスプランにブラッシュアップし、社外のスタートアップ人材や専門家を混ぜたチームアップを行います。 Spirete起業プログラムに、ヤンマーの新規事業が参画し、スタートアップ起業に挑戦。 スタートアップスタジオSpirete、電源開発(Jパワー)と共同で微細藻類を用いた新事業創出に着手

B:社外から事業のタネを集めて、事業化する ▼「有望な技術/事業シーズ」を探索・育成する 「既存事業とはかけ離れた新領域における事業をしっかり立ち上げたい」つまり「新規商品やサービスを、新規ターゲット顧客に販売する」といった、いわゆる最も難しいと言われる領域の新規事業に挑戦する場合、社外の知見やノウハウを取り込む場面が多々必要になります。 ある程度成長したスタートアップを買収し、取り込むことが一般的な手段として挙げられますが、Spireteでは事業を創るという観点で、外部の有望な技術/事業シーズを探索し、自社に合いそうな事業を一緒に創っていくことができます。

具体的には、国内外の大学/研究機関やスタートアップのネットワークを利用し、ターゲットとなる領域の事業/技術シーズに関する情報を収集します。この際、法人化前やVC出資前のプロジェクトも対象とするため、事業プランをゼロから共創することも可能です。 そして、社外の起業家や研究者を活用して、自社が参入していない新しい事業や技術の可能性を探索・検証します。 シード段階のスタートアップへPoC資金を提供し、事業の立ち上げをサポートすることにより、事業が軌道に乗り始めた段階で後々自社に取り込むオプションを持つことも可能です。 人材育成という観点でも、社員の方に、出向のような形でそのスタートアップのメンバーの一員となって、ともに事業化を目指すことで、新規事業開発の経験を積ませることができます。 スタートアップスタジオSpirete、領域を特化し大企業と共に事業を創出する「Startup Lab」を始動



最後に

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。 Spireteが提案する「大企業にスタートアップを創る」という新規事業立ち上げのあたらしい選択肢に興味をお持ちいただけましたでしょうか? Spireteプログラムをもっと知りたいという方は、以下も併せてご覧いただけますと幸いです。

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