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ヤンマーから生まれた、水辺で遊べる乗り物「Wheeebo」が描くマリンビジネスの未来



重機メーカーのイメージが強い大手企業・ヤンマーが今、まったく新しい「マリンレジャー」を開発しているのをご存知でしょうか?ヤンマーが新規事業として開発してきた「Wheeebo(ウィーボ)」は、海やプールで誰でも簡単に操縦できる不思議な乗り物です。


社外からこのプロジェクトに参画し、法人化後はCEOに就任する予定の前田陵さんに、事業に関わったきっかけや面白さ、そして創業期のSpireteの起業プログラムやコミュニティーの活かし方について伺いました。

「Wheeebo」でCEOに就任予定の前田陵さん


誰もが楽しめるマリンレジャーを求めて

ヤンマーと聞いて思い浮かぶのは、稲を刈るコンバイン、ディーゼルエンジン……などではないでしょうか。しかしなんと今、同社が新規事業として開発を進めているのはエンドユーザー向けの「マリンレジャー」の製品です。


2019年から改良を重ねてきた「Wheeebo」は、小型のリモコンを操作することで海や湖、プールなど水の上をゆっくり進むことができるモーター付きの小型ボード。デザインもポップで親しみやすい外観となっています。

デザインもポップでおしゃれ(※開発中のため、形状は変わる可能性があります)



「これまでマリンレジャーはバナナボートでも中学生以上でないと乗れないなど、意外と家族みんなで楽しめる乗り物があまりありませんでした」と語る前田さん。


「Wheeeboは誰でも乗ることができますし、風や潮の満ち引きなどの天候にも影響されにくく、安定した遊びができます。今までになかった、家族で楽しめる遊び方をリゾートで提供できるのはやりがいがありますね」

一人でも、家族や友達とも楽しめるWheeebo


「持ち歩ける車」と「空飛ぶバイク」の次に選んだキャリア

ヤンマーの社内プロジェクトとして進行してきた「Wheeebo」は、今後同社からスピンアウトする形で法人化を予定しています。CEOに就任予定の前田さんはヤンマー社員ではなく、外部から経営者として登用されたユニークな経歴の持ち主です。


新卒入社したソフトバンクではエンジニアとしてクラウドサービス事業などを担当。その後「持ち歩ける電気自動車」を発売して話題を呼んだココアモーターズに創業メンバーとして参画し、続いて入社したA.L.I. Technologiesでは「空飛ぶバイク」ホバーバイクの開発に関わりました。

Spireteのオフィスで取材に答えてくれた前田陵さん


いわば「陸」と「空」の最先端の乗り物を開発してきた前田さんが次に手がけることになったのは、奇しくも「海」の新しい乗り物でした。ヤンマーの新規事業開発を支援していたSpireteの渡邊康治シニアディレクターから、経営者としてWheeeboへの参画を持ちかけられたのです。


「初めて話をいただいたときは『得意分野だな』と思いました。経営者側も技術面の理解が深くないとできない事業ですが、コア技術に関しても私は全部わかりますし、製品としてどうものにしていけるのか、どんな風に今後展開していけばいいのかについて、前職の知見もありました。ゼロから作り上げるスタートアップとは違い、ヤンマーさんがすでに大きな費用を投じて製品を開発していたのも、やりやすい環境だと思いましたね」


「マリンレジャー」から広がる海外展開

CEO就任を予定し、2023年から本格的にプロジェクトに参画した前田さん。Wheeeboの技術的な改良も進み、いよいよこれから本格的な実証実験と事業化がスタートします。現在は国内のリゾートホテルなどで貸し出せるようなサービス開発を進めている段階で、前田さんは「2024年夏ごろサービスインできるようにしたい」と話します。


「国内のホテルからスタートし、将来的には海外展開も考えています。シンガポールやマレーシア、インドネシアのバリ島、メキシコやハワイなど、親和性が高いリゾート地に展開して他にはない価値を提供したい」と意気込むその目は、すでにレジャー事業の先にある展開も見据えています。

遊ぶだけでなく、リラックスした過ごし方もできるWheeebo


「今はハードウェアを開発している段階ですが、将来的にはソフトウェアで強みを出していきたい。例えばある施設内で稼働している台数や故障の有無をリアルタイムで把握したり、海で沖に流されないために操縦する場所の制限をかけたりと、複数台を管理するプラットフォームが開発できればサービスとして大きな差別化になります。そしてこの技術をWheeeboに限らず、自動運転機能のある水中ドローンの開発や海中での整備点検システムなどにも広げていきたいですね」


一般向けの水上レジャー製品の開発から、インフラ・工業分野でもニーズの高い水中ドローン事業までを見据えたWheeeboは、ヤンマーにとっても大きな挑戦となりそうです。


エンジニアからPRまで、多様な人材を募集

Spireteは2021年から「Spirete起業プログラム」でヤンマーのWheeebo事業の成長を支援してきました。Spireteの紹介でWheeeboの経営に携わることになった前田さんは、会社を立ち上げる過程で、Spireteの起業プログラムやコミュニティーが大きな支えになっているといいます。


「Spireteのコミュニティーから適した人材を紹介していただいたり、会社を作るときのノウハウのご提供をいただいたりしています。例えば、どういうビジネスプランを立てればいいか、これから一番重要になるサービスの内容や戦略などを定期的に相談しています。資金調達の目線がなかったので、ベンチャーキャピタルや機関投資家として経験を積んできた方からアドバイスやアイデアをいただけるのはありがたいです」



今まさに事業を本格スタートしようとする中、Wheeeboでは人材採用も強化していく計画です。ソフトウェアの開発ができるエンジニアに加え、事業を推進するための営業・事業開発系の人材や、Wheeeboを普及させるためのPRやマーケティングの専門家も採用したいとのこと。フルタイム勤務だけでなく、業務委託などで事業に部分的に関わることも可能だそうです。


「ベンチャーでの経験がある方や、スタートアップに本当に入りたいという思いがある方。水上ドローンの開発がしてみたい方。新しくて効率的な開発手法を取り入れながら、先進的な物を作っていきたい方。そんな方々にぜひ、声をかけてほしいです」


◆Wheeebo公式サイト:https://www.wheeebo.com/


Spireteは、大企業・大学研究機関・フリーランス・副業人材など、多種多様な専門知識や経験を組み合わせ、ゼロからのスタートアップ創出を目指すスタートアップスタジオです。 Spireteのコミュニティーに参加すると、創業前や創業初期における事業立ち上げにメンバーやサポーターとして関与することが可能です。今回ご紹介した「Wheeebo」やその他のスタートアップ事業に参加してみたい方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせ下さい!




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